寒さに悩まされた築30年の家を断熱リノベーション/燕市S様邸

2023年3月13日

燕市の住宅街に立つS様邸は、1993年にご主人のお父様が新築をした築30年の住まい。ご主人・奥様・娘さんと、ご主人のご両親の5人がこの家で暮らしています。

この家をリノベーションしたのは2022年。約3カ月間の工事を経て、11月にお引き渡しをしました。生まれ変わった住まいの快適さをどう体感されているのでしょうか?寒い冬に訪ねてお話を聞きました。

冬寒く、夏暑い。冬は窓が結露でびしょびしょに。

まずは、リノベーションをすることに決めた経緯をS様ご夫婦に聞いてみました。

ご主人 はじめはこの家の近くで新築することを考えていたんですが、なかなか売って頂ける土地が見つからなくて。それで、この家をリノベーションすることにしたんですよ。

リノベーション前は、玄関に入るとすぐ左側に8畳の和室の続き間と広縁があって、正面の廊下の突き当たりには10畳の台所と6畳の和室、洗面脱衣室・浴室がありました。

和室続き間Before
キッチンBefore
洗面脱衣室Before

冬はとても寒く、廊下を歩いていると息が白くなる程でしたね。床が冷たいのでスリッパが欠かせませんでしたし、厚手の靴下とスリッパを履いていても、毎年足がしもやけになっていました。

冬場は寒い和室の続き間を使うことはなく、台所とその隣の和室で生活をしていました。

暖房には灯油のファンヒーターを使っていて、そのせいで結露がひどく、窓回りはいつもビショビショでした。

台所は西日が射しこむため、夏は夏でとても暑くて過ごしにくかったです。リノベーションしたい理由はいくつかありましたが、断熱性能の低さが一番の悩みでした。

奥様 私は8~9年前に結婚した時からこの家に住んでいます。私たちの寝室やセカンドリビングが2階にあるのですが、床が傾いていて具合が悪くなることがありました。2階の床にビー玉を置くと転がっていくくらいの傾斜で、そこも直したいと思っていました。

ご主人 あと、勝手口のすぐ前にガレージがあり、家族が普段出入りに使うのは玄関ではなく勝手口なんですけど、そこが狭くて使いにくかったです。洗面脱衣室は誰かがお風呂に入っていると洗面台を使えなかったり。そういう不便さもありました。

勝手口Before

断熱性能の問題や、耐震性能への不安、今のライフスタイルに合わない間取りなど、さまざまな課題を解決するために、部分リフォームではなくフルリノベーションを決めたそうです。

断熱をしっかりしたいから、「まるごと断熱リフォーム」を選択。

リノベーションをするにあたり、3社にプラン出しや見積もりを依頼したというS様ご夫婦。最終的にアンドクリエイトを選んだ決め手の一つは、リノベーション後の断熱性能を具体的な数値で示していたことだったそうです。

ご主人 途中からアンドクリエイトさんともう1社さんに絞り込み、2社で検討をしていました。アンドクリエイトさんが行っている「まるごと断熱リフォーム」の説明を受けた時に、目標とする断熱性能をUA値で示されていましたので、もう1社さんに「御社だと、どれくらいのUA値になりますか?」と尋ねたんです。すると、担当の方がその言葉の意味を理解できていないことが分かりました。

さらに、その会社がリノベーションしたお宅を冬に見学させて頂いたら、足元がとても冷たかったんです。「これでは、今住んでいる家と変わらないのではないか?」と不安に思い、断熱にしっかりと力を入れているアンドクリエイトさんに依頼を決めました。

アンドクリエイトさんには、断熱のことだけでなく、鬼門に関する相談や、細かな間取りの注文についてもしっかりと対応をして頂きましたし、使える補助金の説明もあってとても安心感がありました。

そうしてアンドクリエイトとリノベーションを進めることが決まり、2022年の春には既存建物の断熱調査を行いました。その結果、天井と壁の断熱はグラスウール50mm、床下は無断熱、窓はアルミサッシにシングルガラスという、現在の新築住宅と比較すると、とても低い断熱仕様であったことが分かりました。

冬でもはだしで歩ける、温かく快適な家に。

工事が始まる前に近所のアパートを借りて仮住まいを始めたS様一家。

7月末に工事が始まると、建物は基礎・躯体(柱や梁)・屋根を残して全て解体され、そこから耐震補強や断熱改修工事が始まりました。

間取りも大きく変化し、以前和室の続き間や広縁があった約30畳の空間は、対面キッチンや小上がり、ヌックがあるLDKに刷新。

水回りスペースを広げて新たにサンルームを確保したり、脱衣室と分離した洗面スペースを設けたり、ご両親の部屋をベッドで寝起きできる洋室にしたり。今のライフスタイルに合った間取りにつくり変えました。

一番の課題であった断熱に関しては、天井に「吹き込み用グラスウール(18K)」300mm、壁に「硬質ウレタンフォーム」60mm(※一部グラスウール(10K)50mmを使用)、床下に「古紙混入発泡ポリプロピレン」80mmを使用し、家を丸ごと断熱材でくるむように改修。

窓はペアガラス入りのアルミ樹脂複合サッシに変わり、窓からの冷気も抑えられるようになりました。

奥様 以前のように床が冷えなくなったため、冬でも家の中をはだしで歩けるようになりました。もちろん廊下で息が白くなることもありません。朝起きた時のリビングの室温は寒い日でも14℃くらいはあります。暖房は温水ルームヒーターとエアコンを併用していますが、温水ルームヒーターを使うのは朝だけ。部屋が暖まったらエアコンに切り替えます。そのエアコンも動いているかどうか分からないくらい静かですね。

2階の7畳の子ども部屋にもエアコンを設置していますが、この部屋はあっという間に部屋が暖かくなりますし、エアコンを止めても室温が下がりにくいですね。

それから、脱衣所にパネルヒーターを付けて頂くなど、ヒートショック対策もしています。

ご主人 灯油のファンヒーターを使わなくなったので窓が結露することもありませんし、給油時に灯油をこぼしたり手が汚れたりといったストレスもなくなりました。モコモコの靴下もスリッパも使わなくなりましたが、この冬はしもやけになっていません。それから、熱交換型の24時間換気システムを入れて頂いたので家の中の空気がきれいになり、前使っていた空気清浄機もいらなくなりました。

窓は性能の高いペアガラス窓に変わり、床・壁・天井にしっかりと断熱材が入ったことで外の音が聞こえにくくなったのも大きな変化です。外を走る車の音や雨音などはほとんど気にならなくなりました。

家族全員がくつろげる、小上がりのあるLDK。

来客時以外ほとんど使われていなかった和室の続き間をLDKにしたことで、明るく広々とした家族団らんの空間も実現しました。対面キッチンから空間全体を見渡すことができ、その目の前にはくつろげる小上がりが。テレビは壁掛け式にして、その背面には収納スペースを確保しています。

ご主人 キッチン前のカウンターは、これから小学校に上がる娘が勉強をするためのスペースとして設けました。以前仏間だった場所は座って使えるカウンターにしていて、そこは父が日記を書くのに使っています。

窓辺にはゴロリと横になれるようにヌックを設けましたが、今は娘のおもちゃスペースになっていますね。

それから、ご提案頂いた間接照明も気に入っています。LDKは両親が長い時間を過ごす場所なので、壁紙は明るめがいいなと考えていました。ただ、カタログを見ても種類がたくさんあり過ぎて私たちでは選べないと思い、アンドクリエイトさんにお任せしました。テレビの後ろの壁はご提案頂いたもので、いくつかの壁紙が組み合わせられています。落ち着いた色味がいいですね。

父が建てた思い入れのある家ですので、欄間や下駄箱などは残して再活用をしています。

奥様 キッチンのカップボードは、電子レンジやトースター、炊飯器などの家電が全て並ぶ幅を確保して頂きました。

触らずに水が出せるセンサー式の水栓やマグネットがくっつくホーローのキッチンもいいですね。収納は可動棚を多めにつくって頂きました。見えていた方が使いやすいと思い、棚はなるべく扉のないオープンなものにしています。

サンルームが収納を兼ねているので家事がラクになりましたし、家族用玄関として使っている勝手口を広くして頂いたことで、出入りもスムーズになりましたね。

2階は回遊できるつくりになり、以前よりも動きやすくなりました。

既存の建物を生かしながら、性能もデザインも生まれ変わったS様邸。2階の傾きがなくなったのはもちろん、耐震補強により家の耐震性能も向上しました。温かく快適な住まいで、3世代が伸び伸びと健康的な暮らしを送っています。

DATA

家族構成:夫婦+子ども1人+両親

延床面積:189.13㎡(57.21坪) 1F 118.05㎡(35.71坪) 2F 71.08㎡(21.50坪)

木造2階建

築年数:築30年(1993年竣工)

断熱リフォームによる性能改善:改修前1.84W/m²K→改修後0.48W/m²K

参考工事価格:3100万円

工事期間:約3か月

S様、ありがとうございました。

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